春の絵本7選!読み聞かせに絶対おすすめ

暖冬とはいえ寒い日が続いていますが、あと1ヵ月もしたら少しずつ春の便りも聞こえてくる季節になってきますね。
そんな中、一足先に春を感じるのにもってこいなのが春をテーマにした絵本です。

春の訪れを待ちわびる気持ちは大人だったら当たり前のように感じるものですが、小さい子どもにはまだピンとこないかもしれません。
でも寒い冬のあとだからこそ感じられる春の喜び、ぜひお子さんにも知ってもらいたいですよね。

そこで今回は春を楽しみに待つ情感豊かな心を育てることができるような本をいくつかご紹介したいと思います。
3人の子どもの子育て中の筆者が実際に読み聞かせして子ども達に好評だった本ばかりなので、

小さいお子さんがいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

「ほわほわさくら」 作:東直子 絵:木内達朗

「きせつのおでかけえほん」シリーズの一つで、歌人の東直子さんの紡ぐリズム感のある言葉たちが優しげな桜の雰囲気を素敵に表現してくれている本。
満開の桜が広がる公園で舞い落ちる花びらと戯れる子どもの様子が描かれています。
登場人物の子どもの顔はあまり書き込まれておらず、だからこそ子どもはまるで自分がそのシーンを実際に体験しているかのような気持ちで読むことができている様子。
「ほろ ほろ ほろり」と落ちてきた花びらを手でキャッチしたり、風に舞う花びらを追いかけたり、池でたゆたう花びらを眺めたり…
桜が咲いたら子ども達と一緒にやってみたくなりますよ。

我が家の子ども達は未就園児の小さい頃からこのシリーズに親しんできました。
絶妙な言葉の音遊びを楽しみながら季節の美しい情景に触れることのできるシリーズなので、ぜひ他の季節の本も手に取ってもらいたいです。

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ファーディのはる 作:ジュリア・ローリンソン 絵:ティファニー・ビーク 訳:木坂涼

こちらは我が家の3歳娘が大好きな本で、もう何度も図書館で借りています。
ある春の日、おっちょこちょいのこぎつねファーディは果樹園にふわふわした白いものが降っているのを見て、冬に逆戻りしたと大慌て。
友達の動物たちに大変大変と知らせて回り、冬支度に戻る前に雪で遊んでおこうと皆で果樹園に向かってみると、素晴らしい光景が広がっていて…というお話です。

優しいタッチの絵とファーディのかわいさがなんとも言えない魅力のこの本。
どのページも明るい色彩で描かれた花がいっぱいで、眺めているだけでポカポカと暖かくなってくる気がしてきます。
そして春の訪れを一緒に喜ぶ様子や、ファーディの勘違いを笑って受け止めてくれる動物たちの優しさにも心が温まります。
ラストの花びらが舞う果樹園のシーンは本当に美しいですよ。
花びらをいっぱいに敷き詰めた荷車の中にごろ~ん!と寝そべるファーディを見て、子ども達は「これやりたーい!」と。
春が待ち遠しくなる一冊です。

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ほんとうだよ 作・絵:松見秀

こちらは1971年と親の私が生まれるよりも前の本。
でも色あせない不思議な魅力がある本です。

池に住むかえるのがーちゃんは菜の花畑や鳥のさえずり、れんげ畑の向こうを走る電車などの春の光景に大興奮!
池の魚たちにも一生懸命教えてあげようとするのですが、外の様子を見たことがない魚たちは「そんなのみたことないし」と冷たい反応で本気にしてくれません。
ですが、釣り針にかかり引き上げられた一匹の魚が、たまたま釣り糸が外れて逃げる瞬間にがーちゃんの話していた春の景色を見て、外の話は本当だったんだと気づきます。
ラストはみんなに春の様子を信じてもらえて喜ぶがーちゃんが、春の景色を見ながらもう一度ジャンプするシーン。
クレヨン調のタッチで描かれた絵が春のほのぼのとした感じをうまく表現しています。

前半、色々な春を見つけては喜び興奮するがーちゃんを見ていると、こちらまで嬉しくなってきます。
一方で後半、魚たちになかなか話を信じてもらえずにいるところはちょっとドキドキ…。
でも受け入れてもらえなかったからとしょんぼり諦めたままではなく、「もう一度みんなにはなしてみよう!」と再チャレンジするところが、ガッツがあっていいんです。
自分の気持ちを前面に出していくのがあまり得意でない我が家の息子にも、何か響くものがあるといいなーなんて思いながら読んでいます。

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リスとはるの森 作:セバスティアン・メッシェンモーザー 訳:松永美穂

リスとハリネズミが主人公のシリーズ物の三作目であるこちらの本は、ラフな鉛筆デッサンに色鉛筆で色付けしたようなちょっと個性的な本です。
セリフなしで絵で多くを語るようなページもちょこちょこあり、話の内容的にもやや大きい子向けかなという印象。
図書館でおすすめ本として紹介されていたのをふと手に取って、そのオチに思わずフフッと笑ってしまいそのまま借りてみることにしました。

登場人物はリス・ハリネズミ・クマの三人。みんな友達です。
春の訪れに大喜びするリスとクマをよそに、池のほとりにたたずむハリネズミの女の子に一目ぼれをするハリネズミ君。
リスはハリネズミの恋を応援するため、ハリネズミを勇敢で名誉と誉のある男にしようとあれこれ奮闘します。
最終的にはおなかいっぱいで昼寝をする友達のクマをこっそり利用して、大きな敵をやっつけた風を装い、満を持してハリネズミの女の子のところへ花を持ってやってきてみたら、なんと!
そこには衝撃の展開が待っていました…。

6歳の息子はオチもちゃんと理解してワハハ!と大笑い。
3歳の息子はハリネズミを強い男に見せるためのコスプレの数々に大笑い。
ちょっと難しいかなぁと思いましたが、それぞれに楽しめたようで良かったです。

前半の「はるがきたんだ!」とクマが叫ぶシーンは体いっぱいで動物ならではの春の喜びを表現していて、とても微笑ましいです。
お腹いっぱいになるまで野を駆け回るリスの姿も躍動感があってなんとも魅力的。
動物の描写自体はリアルなのですが、まるで人間のように表情が豊かなのがとても面白い一冊ですよ。

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はるのやまはザワザワ 作:村上康成

さみしかった冬の山に少しずつ訪れる春。
冬眠から目覚めた熊の親子の足取りを追いかけながら、春の色々な声に耳を傾けてみる本です。
春の山には素敵な音がいっぱい。
ふきのとうが「ググッ」と伸びたり、たんぽぽが「パッパッ」と咲いたり。
やまめは「パチャッ」と飛び出して、てんとうむしは「プーン」と飛び上がります。
どんどん色々な音が重なって、ザワザワと山が楽しそうに歌っているね、というところで結ばれます。

言葉選びが秀逸なだけでなく、絵もとても素敵です。
目が大きかったりと全体的にデフォルメされたタッチの絵なのですが、どの生き物も美しい色彩といきいきした動きにあふれています。
出てくる生き物の種類も実はとても多く、息子は大好きな鳥がたくさん登場するところが気に入ったよう。
分かりやすい絵と短い言葉でつづられているので、小さいお子さんでも楽しめると思いますよ。
命が芽吹く春の訪れが待ち遠しくなる一冊です。

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999ひきのきょうだい 作:木村研 絵:村上康成

999匹のカエルの兄弟のお話で、その後シリーズ化しているものの第一作目です。
子どもの頃に読んだ記憶が鮮明に残っていて、自分の子どもにも与えてみたところ、やはりストライク!
いい本はどの時代の子どもの心にも響きますね。

春、カエルのお母さんが生んだ999個の卵。
暖かくなってきておたまじゃくしがかえるのですが、一番最初に生んだはずのお兄ちゃんの卵がなかなかかえりません。
弟たちに足が生えた頃、業を煮やしたお母さんに「いいかげんにおきなさあい!!」と怒られ大きな大きなおたまじゃくしが誕生します。
そんなある日、田んぼで遊ぶ兄弟に蛇の魔の手が伸びます。
蛇に食べられそうになるお兄ちゃんですが、最後は偶然ながらも蛇をやっつけることに成功して、兄弟から万歳三唱で迎えられます。
そして最後はお兄ちゃんも無事にカエルになり、めでたしめでたし。

兄弟の中ではある意味みそっかすなキャラクターのお兄ちゃんと、そんなお兄ちゃんを兄として慕う兄弟たちが微笑ましいです。
他の子とはちょっと違ってもマイペースでいいんだ、と思わせてくれる温かな雰囲気にあふれているのがいいですね。
そんなお兄ちゃんが敵を見事にやっつけるというのも胸がスカッとする感じで、そんなところも子ども達に人気がある理由かなと思います。

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はるねこ 作:菅野裕子 絵:松成真理子

ねこと女の子の交流を描いた「四季ねこシリーズ」の第2作目がこちら。
春の日のある日、あやのところに一通の手紙と若草色のきんちゃく袋が届くところからお話は始まります。
1年前、春がなかなかやってこなくて変だなぁと思っていた時、庭で「こまったこまった」と何かを探す「はるねこ」という若草色のねこと出会います。
大事な<はるのたね>が入った袋を落としてしまったから、このままだと春が来ないというのです。
そこであやの提案で折り紙で春の花々を作ってみると、あら不思議!
折り紙の花はあっという間に本物の花に変わりました。
虫や小鳥やその他色々な生き物をどんどん折り紙で作って、お陰で無事に春がやってきます。
そして最後に紙吹雪でつくった「はるいちばんのかぜ」に乗って、はるねこは去っていきます。
その1年後に届いたきんちゃく袋の中にはどんな時にも晴れるという<ひだまりのたね>が。
なんともうらやましくなっちゃいますね~。

春がそのまま猫になったかのような「はるねこ」がなんとも不思議な雰囲気のこの本。
表紙では頭のうえにきんちゃく袋を載せているので、ははぁ、きっとこれを落としたんだな、なんて想像できます。
きんちゃく袋を一緒に探すのではなく、折り紙で色々な物を作って工夫をする、という話の流れもいいです。
それにしても、いつの間にかやってきている春が実は「はるねこ」がまいた<はるのたね>のお陰だったなんて想像するだけでワクワクしちゃいますね。
子どもの想像力を存分にかき立ててくれる、素敵な本です。

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春の絵本7選!読み聞かせに絶対おすすめ まとめ

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以上をまとめると、今回は幼児におすすめの春の絵本として
ほわほわさくら
ファーディのはる
ほんとうだよ
リスとはるのもり
はるのもりはザワザワ
999ひきのきょうだい
はるねこ

の7冊を取り上げてみました。
絵本の読み聞かせは子どもの心を豊かに育ててくれるツールです。
季節をテーマにした本は四季それぞれにたくさんあり、季節がはっきりしている日本に住んでいるからこそ、子どもには四季の移り変わりの美しさを絵本からぜひ学んでほしいですよね。
今回ご紹介した本はどれも春を喜びを感じつつ心が温かくなる本ばかり。
幼児期にぜひ手に取ってもらって、お子さんと一緒に春待ちの楽しい時間を過ごしてくださいね。

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